2010年02月17日
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29巻・最初の感想・これは凄みがある

Written By: 川俣 晶連絡先

 とりあえず、Amazonから届いたので、コミックを一読しました。

 巻末の能書きが前巻から無くなったのは痛いな、と思いましたが、それを忘れてしまうぐらい本編のレベルが更に上がっている感じですね。まさに凄いものを見せてもらったという感じで、何の文句もありません。ネギま!の1巻を1とすれば、学園祭編で10ぐらいの密度。更に魔法世界に行って20。ラカンとのバトルで50。更にこの29巻でいきなり核心を突いて100といった感じでしょうか。

 特にもう、古菲との腕相撲シーンは、「バトル」展開と「ラブ臭」展開の区別にほとんど意味がないぐらい融合していて見事ですね。

 3人を連れて行く際のメンバーの選び方も見事です。もうバトルの先の展開に入っています。そういう人選です。むしろ、心の戦いの助けになる人選です。

 もう1つ、なにげに佐倉メイの出番が多いのも良いところ。(実は好きなのだ)

もうどうでもいい余談 §

 ここまで来るともうアニメを見てもしょうがないな、と思えてきました。つまりOAD付きのパッケージを買う意味もないようだなと思えてきました。理由は以下の通りです。

  • もう、凡庸なアニメで描ける水準ではない
  • 非凡なクリエイターを参加させて始めて拮抗できる水準になれるかもしれないが、そういうクリエイターは自分の世界を展開させてしまう可能性が高いだろう
  • どれほどアニメのレベルが上がったとしても、結局かなり古いストーリーでしかない (今更ラカン登場で盛り上がれ……と言われてもねえ)

 ちなみに、これまでOAD付きを買ってアニメを見てきましたが、要するにアニメの閉塞的な状況を打破する実験としての興味で買いましたが、これは「失敗」で決着したと思います。実際は、アニメがTVからOADではなく劇場にシフトするということで、決着したようです。そうすると、映画と比較して格段に質が落ちるOADにはほとんど存在意義がありません。しかも、工夫すれば割と安く見られる映画と比較してOADは高すぎます。評判を聞いてから気楽に見に行くにも、建前上予約必須のOADは面倒すぎます。

 という話は実はネギま!とは直接関係のない話であって、ネギま!が好きであるかとはさほどの関連性がありません。

 そういうわけですから、劇場アニメになったネギま!は見る可能性がありますが、コミック付属のOADはもうこれで終わりにしてもいいかもしれないな、と思いました。そう思わせるだけのコミックの水準の高さであった、ということです。

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